ロリでオタでも

旧名・ロリでオタでも早稲田を目指す

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【SS】月と僕と

東京の夜空は明るい。
目を凝らせば雲の輪郭が見て取れるほどに明るい。
闇を知らぬ摩天楼達が林立しているせいか、それとも何らかの化学物質のせいなのか。
理由は定かではない。
ただ、僕はそんな東京の夜空が好きだった。
マンションのベランダにある手摺りを乗り越えて、僕は静かに腰を下ろす。
足下には薄暗い闇が広がっていて、地上との距離を曖昧にしている。
ここから落ちたら死ぬのかなぁ、なんてぼんやりと思いながら
僕は夜空に当たった。
心地よかった。冗談でなく、このまま夜に溶けてしまいそうなほどに。
足をぶらぶらしながら、遠くに見える摩天楼達に視線を向ける。
一体、いくらの人間があの中で忙しなく日々を過ごしているのだろうか。
それはそれは想像もできないほど、膨大な数のはずだ。
仕事に追われる者、恋愛をする者、新興宗教の勧誘をする者
自殺を決めた者、独り苛立ち通行人に粗野な愚痴を零す者
彼らは皆違った価値観を持ち、誰1人同じ方向を向くことなく動き回っている。
そんな彼らを思い、僕は月を見上げた。
限りなく満月に近い月は、下手な満月よりも美しく見えた。
それは未熟ゆえに未来への展望を感じさせる美しさである。
その姿はどこか少女に似ていた。
少女は女になることを願う。しかし、女よりも少女は遙かに美しい。
その矛盾が、世界をほんの少し汚くしているのだと僕は思った。
「最近気が付いたのです。お月様」
「………」
月は答えない。ただその柔らかな光で僕を照らしてくれるだけだ。
でも、それだけで充分だった。
その光は優しかった。
太陽の持つ図々しいまでの力強さやある種の残酷さ、それとはまったく違った何もかも優しく包み込んでくれるようなそんな優しさが月の光にはあった。
でも、独り言はやめておこう。それは何かあまりにも悲しげだから。

人の気持ちは絶対にわからないものだって、気が付いたのです。

僕はもう一度月を見つめて、心の中で呟いた。
すると、月は微かに笑ってくれたように思えた。
私にもそんな経験があります、と。
月はたしかにそう言った。

お月様もやっぱり物事を論理的に考えてしまいますか?
僕もそうなのです。ああだからこうなる、そうなるはずだ、そうなるに違いない。
様々な物事が論理的に説明でき、組み立てられていることに気が付いてから
きっとそれが嬉しくてしょうがなかったんでしょうね。
すべてがその万能の鍵を用いることによって、わかるのだと思い込んでしまったんです。
でも、それはとんだ傲慢だった。

月は尚も微笑んでいる。
それはこれ以上ないほどの相槌だった。

物事とはしっかりした秩序の元成り立っているモノです。
ドライアイスにお湯をかければ二酸化炭素が発生しますし、青色リトマス紙は酸性で赤になります。
円安であれば輸出が増え、円高であれば輸入が増える。
資本主義は際限もなく膨張し、いつの日かその膨張は破裂という形である日突然終りを告げるでしょう。
それは覆ることなく、論理、理論に基づいてます。
でも……いや、わかっていたことでした。
人間の中身に秩序はないのです。

月が雲に隠れる。
薄明るい夜空がほんの少しだけ暗さを増す。
僕は口を噤んで、再び月が顔を出すのを待った。

秩序がないために、人間の心に論理は通用しないのです。
つまり、わかりっこないのです。
論理という鍵を用いて、僕らはようやく世界の構造を知ることができるんですからね。
鍵が無いドアの向こうは、どうやったってわからないんです。
そんなことに、僕はようやく気が付きました。

月は尚も優しく微笑んでいる。
人間というものの未完成さ、未熟さを愛おしむように。




ベランダからコンクリートジャングルを見ていたら書きたくなったので1つ。
短いし、特にあとがきするような事もないですね。
それにしても、どうして東京の夜空って明るいんでしょうねぇ。
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| 小説 | 03:46 | comments:7 | trackbacks:0 | TOP↑

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| | 2008/11/01 10:30 | |

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| | 2008/11/01 11:22 | |

成る程、今回のターゲットは月の兎ですか。。
主人公のどこか物寂しげな雰囲気と兎とゆー生き物の象徴する儚さがイイ感じにリンクしてなんとも言えない世界観がSSもといSusumu Syousetsu全体を包みこんでいて素晴らしい作品ですね。


ところで月の兎って2匹とも♂だったよな?ソースはマックの月見バーガーのCM。話のテイストを変えても根底にはしっかり「保毛尾田」がテーマになっているところはさすがとしか言いようがありません。


長文失礼しました。

| 幸徳 秋水 | 2008/11/01 12:30 | URL |

↑見てまたホモネタのコメントしようかと考えましたが、
今回は真面目にコメントしますね♪

ベランダから街を眺めるのってちょっとした優越感に浸れるいいストレス解消ですよねっ
でも、先輩がやっていたら……パトカー来ませんか……?

音威子府の空は満天の星空ですよっ☆

| 雲丹 人 | 2008/11/03 00:44 | URL |

返信

>社の隈さん
何を読んでる、ですか?
んー、ラノベから純文学まで特にえり好みせず読んでますね。
読書に偏りがあるのは真に文学を愛する者ではない、というのがモットーですのでw
あ、でも好きな作家はいますよ。
遠藤周作さんと森美登見彦さんと山田詠美さんと田中ロミオさんが特に好きです。
社さんも是非読んでみてくださいな

倫理は面白そうですね。
やったことない人間が言うのもなんですけれどw
自分も国立であったら、政経でなく倫理を取ってたと思います。
まあ、少々リスキーなところはあるらしいですがw
自分も英語が不出来なので、何とかしたいところです。
国立のように科目が多ければ、他の科目で補うこともできますが、私立だとそうもいかないので正直厳しいです。

メール通知は調べたところないようです。
コメントが付いたら通知、っていうのは管理人用にあるみたいですけれど……
はてなのアンテナあたりを使うとできるかもしれませんので、もう少し調べてみますね。
リトバスの方はあとちょっとで小鞠ルートクリアするとこです。
小鞠がウザ過ぎて困ってます。早くみおちんとクドリャフカのルートがやりたい……

>こうへいへーい
俺をホモに仕立てようとする情熱には脱帽する、うん。
でも、俺は月が女だと思いたいな。あんなにきれいだからさ……
SUSUMU SYOUSETUなんて一言が無ければ、こうへいへーいだなんて気が付かなかったよw

>うににんっ♪
マンションだから地上から見えないんだぜっ!w
まあ、満点の星空にはまるで敵わないだろうが都会の空ってのも良いもんだよ
ああ、でも久しぶりに☆を見てみたいな

| ハルハラ | 2008/11/03 02:01 | URL |

 動なる日中を社会とするならば、静なる夜半は個の世界と言えるかもしれません。
 ひとり夜空の星を見上げて、想像も出来ないような時間と距離に思いを馳せると、目眩と息苦しさに襲われます。
 人間ひとりの生命や尊厳なんて、本当は砂利一粒よりも軽いんじゃないかって思うと、声を上げて泣き出したくなります。

| 氷上恭一朗 | 2008/11/03 12:37 | URL |

返信2

>氷上さん
夜空には人を感傷的にさせる何かがありますよね
特に都会の夜空には自分の存在を脅かす悲しさがあります……
自分が自分であることの証を一日でも早く手に入れたいものです

| ハルハラ | 2008/11/05 02:25 | URL |















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