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ロリでオタでも

旧名・ロリでオタでも早稲田を目指す

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ある陸上部員の性渇 一章『快走』②

 涼しげな初夏の夜気が、火照った身体を冷ましてくれる。
 大きく深呼吸し、空を見上げる。すると、雲一つ無い空に満月がぽつりと輝いていた。
 東京は星が見えない。こうして空にあるのは月だけだ。
 それでも月が見えるだけまだ良いのだろう。スモッグで見えない日だって、少なくはないのだから。
「ん?」
 軽い感傷に浸りながら通りを歩いていると、ふと目が止まった。
 通り沿いの店の中にかおるがいるのである。
 何の店だ、と思い看板を見れば何て事はない、おもちゃ屋だった。
 どうせこの後家に帰っても、妹が昨夜の祝勝会の続きをするだけだ。せっかくなので、声を掛けてみることにした。
 店に入り、かおるの真後ろに立つ。店員が怪訝な目が少しばかり痛い。
 しかし、知り合いに声を掛けるだけなのだから問題はないはずだ。
 そして、さり気なく何をしているのか覗き込んでみる。
 それは不思議な光景だった。かおるは、むにむにとぬいぐるみを愛でていたのだ。
 まったくもって不可思議である。女の子らしさの欠片もないかおるが、こんな女の子らしい物をいじっているだなんて。
「何してるんだ?」
 そんな何気ない俺の声に、かおるは弾かれるように振り返った。
「ど、どうしてお前がここにいる?」
 何やらとても慌てふためいている。
 かおるとしてもこういう光景を見られるのが、少しばかり恥ずかしいのだろう。
「質問を質問で返すな。で、どうしてぬいぐるみで遊んでるんだ」
「遊んでなんかいない!た、ただどれを買おうか迷ってたんだ」
 心外だ、とばかりにかおるは怒鳴る。大して変わらないような気がするのは、俺だけだろうか。
「ぬいぐるみ、好きなのか?」
「ふんっ、どうせ似合わないとでも言いたいのだろう?どうせ私は男勝りだからな」
 ぷいっ、と機嫌を損ねたのかそっぽを向く。
 俺はと言えば、ぬいぐるみを抱いて寝ているかおるを想像して思わず吹き出してしまった。
「な、何を笑ってる。失礼この上ないぞ、このっ!」
 手にしたぬいぐるみで、ぼかすか俺を殴る。
 もともとぬいぐるみは、柔らかい素材で出来ているから痛くはない。むしろ、そんなかおるの動作に笑みすら零れてしまう。
 いじらしいくらいに可愛い。
「ああ、もう何でさらににやけるんだ!もうっ」
「悪い悪い。ただあまりにギャップに笑ってしまった」
「ホントに失礼だな、けいすけは」
 ようやく殴るのをやめて、苛立たしげに腕を組む。
 なかなかご機嫌は斜めだ。ここらで少し機嫌を回復してあげなければ、後々めんどうである。
 そうして機嫌を直す材料を探していると、かおるの手にしているぬいぐるみに目が止まった。
 黄色の熊だ。ただ熊にしてはあまりに優顔過ぎるのが、個人的には気にくわない。身体も黄色なことだし、はちみつばかり食べて野生で生きいくだけの闘争本能を無くしてしまった哀れな熊なのだろうか。
 なんて、下らない空想を繰り広げながら、俺は思いついた。
 これをダシに機嫌を直そうと。
「でも、本当に可愛いな。このぬいぐるみ」
 むにゅにゅん、と熊の顔を撫でながら言う。
すると、計算通りかおるは軽く微笑んだ。おそろしく単純なやつである。
「そうだろ、そうだろ。これの良さがわかるだなんて、お前は相当な目利きだぞ」
 本当はそんなこと微塵も思ってないわけだが。
 もちろんそんな事は口にせず、俺は続ける。
「じゃあ買えばいいだろ?金がないのか?」
「いや実はな」
 と言って、かおるはぬいぐるみの棚からもう一つ引っ張り出してきた。
 今度は、けばけばしいばかりにオレンジ色の虎だった。
「これと迷ってるんだ。まあ、ほとんどこの熊の方に気持ちは寄っていたのだが。なあ、けいすけはどちらが良いと思う?」
「うむぅ」
 さっきも言ったとおり、熊の方はあまりに優顔過ぎて気にくわない。あれじゃあ野生はおろか、動物園の熊だって勤まりはしない、とさえ思う。
 だが、虎も虎なのだ。けばけばしいオレンジは百歩譲って許そう。しかし、顔があまりに陽気すぎる。あんな気の抜けた陽気さで渡っていけるほど、インドの森は甘くない。
 しばらく考えてから、この長考がいかに無駄であるかに気が付いた。ぬいぐるみにリアリティを求めてどうするのだろう。そんなことを言い出したら、テディベアはとっくに廃業だ。
「うーん、熊の方かな」
 特に考えもなしに言うと、かおるは良しとばかりに頷いた。
「じゃあ、こっちをけいすけにやろう」
 意味がわからない。
 この話の流れで、どうして俺へのプレゼントになるのだろう。
「えーと、何で俺にそれをくれるんだ?」
「真剣に迷うけいすけの顔を見ていたら、何だか心が動かされてな。お前のぬいぐるみへの愛を見て、私はこれを買う資格がないことに気が付いたんだ」
 やれやれ、と良いことをした時独特のやってやった笑いを浮かべる。
 きっとかおるなりの読心術だったのだろう。
 しかし
「いらないぞ。そもそも俺は買う金がない」
「私が払う。国体出場記念だ」
 な、と満面の笑みで微笑まれては断るにも断れない。
 まったく容姿の良さとは便利なものだ。
「ありがとう。マジすっげー感謝」
 棒読みで言ったことなど意に介さず、かおるはレジへと向かっていった。
 今まで一向に気が付かなかったが、どうやら彼女はかなりの天然らしい。



「ただいま」
 玄関の扉を開け、階段を上っていく。
 俺の家は二階建て。土地は都会の一般的な一戸建ての大きさで、一階はリビング、キッチン、バストイレ、洗面所、両親の部屋という間取りになっている。
 そして、二階部分には俺と妹かなの部屋が二つ宛われている。
 とは言うものの、かなは自分の部屋を使うことはあまりない。極度のブラコンなのだ。
 だから、困ったことに。
 俺はゆっくり自室のドアを開いた。
「あ、お兄ちゃんおかえり」
 平然とかなは俺のベッドに横たわり、漫画を読んでいた。
「……いつからお前と俺の部屋は共有になったのだろう」
「それにしても、昨日のお兄ちゃん格好良かったなぁ。これでこそ、かなのお兄ちゃんだよぉ。東京で一番速いんだもん。お兄ちゃんすごいよ!」
「聞いちゃいねぇし……」
 かなは昨日からソレばっかりだ。
 たしかに自分で言うのも何だが、昨日の俺の走りは素晴らしかった。十点満点だったら文句なしの十点だし、俺と何ら関係のない一般人が見ても感嘆を隠せなかったほどに、心を打つものでもあったと思う。
 それが兄とあれば、喜びも一塩。その気持ちはわからなくはない。が、さすがにこうずっと言われ続けるのは疲れてしまう。
 もちろん喜びがないかと言えば、嘘なんだが。
「ねえ、お兄ちゃん。今日はお兄ちゃんの部屋で寝ていい?」
 漫画本をわきに寄せて、ベッドの上でかなは俺の方へと体を向ける。
 くりくりとした愛らしい目に、幼さのためにふっくらとした丸みを帯びた頬、すらりと長く伸びた美しい黒髪。兄の俺から見ても妹のかなは実に可愛らしい。
「ダメだ。かなももう一緒に寝るような年齢じゃないだろ」
 これは『兄離れ』政策の一環だ。小学五年生にまでなって兄と寝ているのは世間から見れば、いささか異常である。
 小学五年生といえばそろそろ兄を男、自分を女と認識しなければならない年頃なのだ。少し寂しい気もするが、これも仕方がない。
「えー、だってお兄ちゃん。お風呂も一緒に入ってくれないよ?最近冷たいよぉ」
「普通はもうかなくらいの年になったらな。お兄ちゃんと寝たりしないし、お風呂も一緒に入らないんだよ」
「そんなのおかしいよ。よそはよそ、うちはうちだもん」
 むう、とかなは頬を膨らませる。
「普通こういうのは妹から言い出すもんじゃないのか……」
「言い出さないんだからいいの!ねえねえ、一緒に寝てよー」
「とは言ってもなぁ……」
 考えてみれば、かなが小学五年だからというのが問題だけではない。高二にもなって妹と風呂に入ったり、同じ布団で寝たりする俺の問題でもあるのだ。
「どうしてもダメ?」
「ダメだ」
 きっぱりと言い切ると、かなは思い切り肩を落とした。これ以上言い張っても、無駄であることをそれとなく悟ったのだろう。
 そんなしゅん、としたかなの様子を見ていると、まるで何か自分が悪いことをしたように思えてしまう。
 当然の事を言って、当然の要求をしただけなのに……
 妹の悲しい顔を見ていて喜ぶ兄なんていやしない。できればいつでも笑っていて欲しいと、俺は常々そう思っている。
「あ」
 一つ思いついたことがある。
 根本的な解決にはならないが、とりあえず妹の笑顔が見られるもの。実に運の良いことに、俺は今ソレを持っていた。
 すぐにカバンを漁りソレを探しだす。ほどなくして、俺の指が柔らかな物体をとらえた。
「今日から、これを俺だと思って寝ろ」
 ずい、とかなに熊を差し出す。無論、これは先ほどかおるが買ってくれた物である。
 まさかこんな使用用途があるとは思いもしなかった。改めて彼女には礼を言わなければならない。心の中で。さすがに面と向かって言える勇気を、俺は持ち合わせていない。
「……」
 かなはきょとんとした顔で、優顔の熊を見つめている。
「くれるの?」
「ああ」
 すぐに顔を綻ばせる。どうやら気に入ってくれたらしい。
「ありがとう、お兄ちゃん。でも、ホントにもらっていいの?」
 と言いつつ、目を離さないところからして本当に気に入ってしまっているのだろう。
「いいぞ。その代わり大事にするんだぞ」
「うん!大事にする、一生大事にするよ」
 ぎゅっ、と抱き締めてかなは本当に満足そうに微笑んだ。
「だからと言ってはなんだが、俺がかなと一緒に寝なくなることを許してくれ」
 すぐに笑顔を強張らせて、かなは怪訝な顔をする。
「今日の所はだよ?この先ずっとお兄ちゃんと眠れないなんて悲しいもん。だってだって、突然すぎるもん。もっと少しずつかなと寝る日を減らすとか、そういう風にしてよ。そうしないと、かな不安になっちゃうよ……お兄ちゃんがかなの事、嫌いになったんじゃないか、って」
 言葉尻が涙で滲む。
 たしかに考えてみれば急すぎたのだ。一週間かそこらで『兄離れ』をさせようだなんて。
「わかったよ。そうだな、1週間に1回でどうだ?」
「それは少な過ぎるよぉ。ほぼ毎日一緒に寝てたんだよ?お風呂だって2日に1回くらい一緒に入ってたのに……」
 またじわり、と涙を滲ませる。透き通るほどに澄んだ瞳に俺自身が写る。
 嫌が応にもかなを泣かせているのは、自分自身だと知らされる。
 これでいて、本人はまったくもって自覚がないのだから凶悪である。
「わかった週2な」
「各週2だよね?」
「いや、風呂はもう止めよう。さすがに、そのお互いの身体を意識し始める年頃では……」
 そんな俺の言葉に、かなはただ?マークを浮かべるだけ。
 理解できていないのか。まだ小五くらいだとそういうのは意識し始めないのだろうか?
「んー意識って?」
「だから、その……」
 何と言えばよいのだろう。
 『お兄ちゃんのおちんちん見てどう思う?』 という質問はあまりにも卑猥すぎる。
 というのか、間違いなく兄妹間で交わされてはいけない会話だ。断じていけない。
「いや、いい。何にも思わないなら良い」
「良くないよー。すごい気になるもん」
 純粋な好奇心。
 これを無下にはね除けるのは気が引ける。
「だから、かなは恥ずかしくないのか、ってこと」
「恥ずかしい?何を恥ずかしがるの?」
「……裸を見られたりするのって、恥ずかしいことだろ」
「お兄ちゃんはかなに見られるの恥ずかしいの?」
「え?んな事はないけどさ……」
「だったらかなもないよ。ううん、恥ずかしいどころか楽しいよ。お兄ちゃんとお風呂入ると、何だか、何だかね、胸がキュンってなるの」
 胸キュン。
 何とも甘酸っぱい言葉の響き。甘酸っぱいがどこか危険な響き。
 そういう意味ととらえてしまって良いのだろうか。
「……見られるのが、楽しいのか?」
「え?」
 かなは一瞬、面食らったような顔をする。
 そして、もじもじとこちらを伺うようなそぶりを見せながら、小さく口を開いた。
「……そうかもしれない。お兄ちゃんにそういうとこ、見られるのが好きなのかも」
 きっとかなは自分のその感情を、未だにうまく理解できていないのだろう。
 ただ何となく好き、気持ちいい、楽しい。 それが彼女の幼いなりの性欲なのかもしれない。
「ねぇ、お兄ちゃんはかなの裸見てどう思うの?」
 どう思うなどと聞かれても困ってしまう。
 どうも思わないに決まっている。どうか思う兄がこの世にいるのなら、是非ともお目に掛かりたいものである。
「別に。ただ妹と風呂入ってると思うだけだ」
「そうなの?」
 少し驚いたような、残念そうな声でかなは言う。
「でも、かなはかなは……お兄ちゃんの裸を見るとドキドキするよ。その、おちんちんとか見ると特にドキドキするの」
 訴えるような目。必死に感情を吐露するような表情。
 俺の心にも起きてはいけない感情が、起きてきそうな気がしてしまう。
「……それを意識って言うんだぞ、かな」
 沸々と沸き上がる感情を、振り切るように言う。
 ダメだ、妹は妹なのだ。どんなに魅力的に見えても妹は妹なのだ。
「飯、行こうぜ」
 やり切れなくなってそう言うと、かなは素直に頷いた。
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| 小説(長編) | 21:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑















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