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ロリでオタでも

旧名・ロリでオタでも早稲田を目指す

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【SS⑤】ララバイ

夜の海は海じゃない。
闇がそのまま横たわっているだけだ。
そして陸地に向けてそれらは襲いかかる。
飲み込まれたら最後、二度と彼らの胃袋から出ることはできないだろう。
そもそも胃袋などあるのだろうか。異次元、いやもっとどうしようもないとこに連れて行かれる。そんな気さえする。
海は空より黒かった。
ずっと眺めているだけでも、連れて行かれるようなプレッシャーがかかる。
彼らは僕を呼んでいるのだろうか。僕をどこかに連れて行ってくれるのだろうか。
だとしたら都合がいい。僕もちょうどそちらに行きたいと、思っていたところだから。


楽しかった事を思い出すのは難しい。特に不幸を感じている時には。
むしろ、そんな時にありありと人間が楽しかった事を夢想できるのならば、人間はこうも愚かではないだろう。
それこそ常に幸せでいられるはずだ。そして、それに付随する様々な欲望や嫉妬、憎しみも姿を消すに違いない。
どうして神はそんな簡単な微調整をしなかったのだろうか。
わかりようもないことだった。僕は神じゃないから。
でも、あえて人間である僕が推測をするならば、それは神の特権だからなのだと思う。
欲や憎しみのない人間はいてはいけないのだ。
もしいてしまえば、神のアイデンティティーっていうのが崩れてしまう。


波の音はララバイだ。どんな音にも勝る安心感がある。
ざぶざぶと海に入れば、痺れるほど冷たかった。
でも、それもほんの僅かの間。気が付けば、常にオルガスムを味わうような快感が僕を取り巻いていた。
ふと少し前に耳にした、35年で羊水は腐る、という言葉を思い出す。
あの時、男である僕にはその意味や真実性などまるで理解はできなかった。
でも、今ならそれを嘘だとはっきり言える。
こうして何億年も存在し続ける羊水が、まるで腐ってなどいないのだから。
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