ロリでオタでも

旧名・ロリでオタでも早稲田を目指す

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【短編怪談】こっくりさん

窓から射し込む夕日が、教室を血のように染め上げています。
何かが起こりそうで、でも何も起こらないのが日常でありまして、私とあやかちゃんは今日も退屈に苛まれておりました。
それもこれも夏休みを終えてから、六年二組の空気が一変してしまったせいなのです。
ああ、忌まわしき受験勉強。どうして、私たちの遊び相手を奪っていくの……
「中学受験、中学受験ってばっかじゃないのぉ。そんなに勉強させてどうするんだっつーの」
ぽい、とあやかちゃんは、くしゃくしゃに丸めたテストの答案をゴミ箱に向かって投げます。
放物線を描いた紙の塊は、ゴミ箱に届くことなく教室の床に落ちました。
「結局、女子で受験しないのはみゆきとあたしだけ。社会はみんな、右を向け右。何が個人主義よ。結局日本人はみんなと一緒が好きで溜まらないのね」
ぶー、と形の良い唇を歪ませてあやかちゃんは言います。艶のある長い黒髪も、透き通るほどに白い肌も……あやかちゃんは、そのすべてがまるでおとぎ話のお姫様のように可愛らしいのです。
同性の私から見てもこう心惹かれるのですから、もちろんクラスの男子も放っておくわけがなく、競争倍率だけで見れば学年で右に並ぶ物はいません。いや、そもそも他の女の子を比較の対象にするのがおこがましいくらいです。可愛らしいんです、とにかく。
「まあまあ、あやかちゃん。みんな頑張ってるんだから応援してあげよーよ」
そんな私の言葉に、ふうと呆れたように溜め息を付きます。
「あんたの頭は気楽でいいわね」
「へ?」
「はあ、退屈だなぁ」
そう言って、つかつかとあやかちゃんは黒板の方に歩いていきます。私たち二人以外、誰もいない教室に靴音だけがむなしく響きます。
そして、黒板の前で突然満面の笑みで振り返りました。それはまるでこの殺風景な教室の中に、突如花が咲いたようで……
「こっくりさんしない?」
「こ、ここここここっくりさん!」
ああ、あやかちゃんは何と恐ろしい事を言うんでしょう。こっくりさん!こっくりさんですよ……
あの十円玉に指を乗せて、何でも占ってしまうと言うこっくりさん……お、恐ろしいです。
「だだって、先生がこっくりさんだけはやっちゃいけないって!」
そう言う私にまた、呆れたようにあやかちゃんは溜め息を付きます。
「タブーは破るからタブーなのよ?ま、いいわ。みゆきがやらないならあたし1人でやるから」
「だ、ダメだよ!1人でやったら大変なことになっちゃうよ」
そうなのです。こっくりさんは1人でやると大変なことになるのです。具体的なことは知りません。とにかく大変なことになるのです。
でも、あやかちゃんは私のその切実な言葉にニヤニヤァと笑みを浮かべました。理解の出来ないその笑みに、私は少し気圧されてしまいます。
「だったら、あたしとこっくりさんしなさい!いい?」
どうやら、まんまと私は罠に嵌められたようでした。
ううー、と不服そうに頬を膨らませると、勝ち誇ったようにあやかちゃんはさらに言います。
「みゆきの選択は2つに1つなの。あたしに1人でこっくりさんをやらせて大変な事をさせて、あたしに一生恨まれるか、あたしと一緒にこっくりさんを楽しくやるか」
「……わかったよぅ」
渋々私は同意して、こっくりさんの準備を始めたのでした。


五十音を大きめの紙に書き、その上の方に『はい』『いいえ』と文字を書いていきます。とりあえずこれで、こっくりさんと交信するための下準備は整いました。
……私の方は。
あやかちゃんはと言えば、『十円玉を調達して来る』と言ったっきり帰ってきません。おそらく、この時間の掛かり方からして家までわざわざ取りに行ったのでしょう。
私は一人手持ちぶさたになり、窓際へと足を進めました。外を眺めればちょうど日が落ちる所だったようで、太陽の残りカスみたいなものが水平線にこびり付いているだけでした。
となると、そろそろ見回りの人が来る時間です。私は正直安堵しました。このこっくりさん強制イベントを避けられるかもしれないのですから。
そう思って希望に満ちた目で教室の前の扉に目を向けると、ちょうど人影が見えました。地獄に仏とはまさにこの事、私は用務員さんが声を掛けてくれるのを待ったのでした。
「……」
しかし、相手はこちらをジッと見ているだけです。ひょっとしたら用務員さんではないのでは、と思い、目を凝らしてその人影を見ます。
でも、いくら目を凝らしても廊下の暗さも相まってか、その人の風貌はまったくわかりません。ただ人の影であることだけはわかります。少なくとも、それは人の形であったから。
「もしもし、あのー用務員さん?」
「……」
人影は答えません。ただ私の方を伺うように見ているだけです。
「隣のクラスの人ですか?」
「……」
尚も返事はありません。
さすがに私も我慢の限界です。ジッと見られてては落ち着きません。一言何か言ってやろう、そう思い私はその人の元へと一歩踏み出しました。


すてん

回る視界。背中に衝撃。混乱する頭。
視界が天井だけになったところで、ようやく私がずっこけてしまったことに気が付きました。
「あたたぁ」
背中とお尻をさすり、異常がないことを確認します。何も障害物がないとこで転けてしまうとは、私も鈍くさいヤツです。
スカートに付いた埃を払いながら立ち上がり、前の扉を見るともうそこには人影がありませんでした。
はて、と首を傾げる私の姿を古い蛍光灯だけが見下ろしていました。


あやかちゃんがようやく到着すると、窓に切り取られた空はもう黒一色でした。
窓は閉め切っているはずなのに、どこからか夜が忍び込んできたようで、教室の中は秋の初めだというのに肌寒いほどです。
「ごめん、ごめん。こっくりさんやるっていったら、お兄ちゃんがなかなか十円玉貸してくれなくてさ。隙を付いて盗んで来ちゃった」
てへっと、はにかむように微笑むあやかちゃん。
しかし、あやかちゃんのお兄様はだらしないです。あなたがしっかり止めてくだされば、私がこんな恐ろしいことに付き合わずに済んだのに……
「さーて、始めるわよ。もう文字盤の準備はできてるわよね?」
私は無言で頷きます。あ、文字盤とはさっきの五十音の紙の事です。
大それた名前ですが、私の下手くそな字で作った手作りです。
「んじゃ、電気消すわよ?」
「え、ええ?何で?」
何で火に油を注ぐような事をしようとするんでしょう。
いつもながら意図の読めないあやかちゃんの行動に、私はいつもながら戸惑います。
「こっくりさんもそういう雰囲気の方が出て気安いでしょう?」
「そ、そんな……」
と、反論する間もなく電気が消されます。
一瞬何も見えなくなり、徐々にぼんやりと物の輪郭が蘇ってきます。
今日は月が出ていないのか、それとも曇りなのか、窓から射し込む頼りなげな星の光だけが、私を辛うじて救ってくれたようでした。
「何だか雰囲気出ててきたわぁ。みゆき、さっさと始めましょ」
颯爽と文字盤を置いた席に座り、あやかちゃんは私を手招きします。
それに渋々応じるように、真ん前の席に座ります。蝋燭に照らされるあやかちゃんの顔は、これからこっくりさんをやるのでなければ、何とも絵になる光景でした。
私が座ったのを確認すると満足したかのように頷き、ポケットに入れた十円玉を取り出します。
いよいよ、始まってしまうのです。
私の頭には、嫌が応にも様々な思いが渦巻きます。どうして、こっくりさんは禁止されてるのか、あやかちゃんは何でこっくりさんをやりたいのか、そもそもみんなが居る時にやれば……
渦巻いていた一つの思いを私は、必死の思いですくい上げます。
「あ、あやかちゃん。こっくりさんは……今度みんなが居るときにしない?」
「どうして?」
ムッとあやかちゃんは眉間に皺を寄せます。
「どうしてって……2人だと危ないし、もう夜遅いし……何より盛り上がらないよ?」
「……みゆきはあたしと2人が嫌なのね?」
「へ?」
眉間に皺を寄せた苛立った顔から、あやかちゃんは見る見る悲しげな顔になります。シュンとしたあやかちゃんの顔は、教室内の空気までさらに暗くさせるかのようでした。
「いつもいつも、2人でいるとみんながいれば、みんながいればって……あたしと2人じゃみゆきは楽しくないのね」
悲しげな顔は、また微かに笑っているようにも見えました。敗者の自嘲。あまりにもあやかちゃんには似合わないその自嘲の笑みに、私の心は思わず抉られてしまいます。
「……そ、そんなことないよ。私はあやかちゃんと2人でも楽しいよ」
「でも、みんなとやった方が盛り上がるし楽しいんでしょ?」
自嘲の笑みを浮かべたまま、あやかちゃんは私の目を見つめてきます。
こうなってしまえば、もう後は口でどういってもどうにかなるばすもありません。
すると、道はただ一つ。気が付けば、私は振り出しに戻っていたのでした。
観念した私は、あやかちゃんの右手をギュッと握り、そのまま十円玉の上に載せました。
そして、私もその上に指を載せ高らかに叫びます。
「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください。もしおいでになられましたら『はい』へお進みください」
力業。私にしては思い切ったことをやったものです。
そうして、あやかちゃんの顔を伺うと、照れたような怒ったようなそんな不思議な表情で私を眺めていました。
でも、その表情はすぐに驚愕の表情に変わります。他でもない。十円玉が動いたのです。
『はい』
たしかに十円玉は上部に書かれた『はい』の文字の上に止まりました。
言うまでもなく、あやかちゃんの表情からしてこれはあやかちゃんの仕業ではなく、私がやったのでない以上……
こっくりさん
がやったものなんでしょう。
「ね、ねえみゆき。何聞こうか?」
ワクワクと言う擬音が聞こえてきそうなほど好奇心に満ちた表情で、あやかちゃんは私を見ます。
そんなあやかちゃんの表情と反対に、私の心中は穏やかでありません。嫌な汗が背中を伝っていきます。
本当に来てしまったんです。こっくりさんが……
これで心中穏やか、いやそれどころか喜んじゃうなんてあやかちゃんはどうかしています。
「そんな蒼い顔しちゃってばかじゃないの。もういいわ、こっくりさん、こっくりさんみゆきの好きな人を教えてください」
「ふぇぇっ!?」
本人の了解も無しにされた質問に、こっくりさんは淡々と答えようとします。
「ダメですってぇ!?こっくりさん!」
人を愛することは何も恥じることはない、とそう言いますけれど、でも恥ずかしいのです。
その人の顔を頭の中で思い浮かべるだけで、胸がキュゥッとなるんです。それをそれを……人に知られちゃうなんて。
『た・か・し』
でも、こっくりさんは残酷でした。その3文字はまさしく私の恋している男の子の名前でした。
ぼわぁ、とその名前が宙に浮かび上がるかのように、私に襲いかかってきます。
そして、これでもかというほど私の身体の隅々まで熱していきました。
ううっ……もうお嫁に行けない。
「へぇ、たかしが好きなんだぁ、みゆきは」
声ははしゃいでいましたが、どこかあやかちゃんの顔は寂しそうに見えました。
沸々と憎しみが沸くのは必然と言えましょう。私の心を陵辱した罪、その身をもって償うが良いのですっ!
私は『し』の文字で止まる十円玉を睨み付け、叫びます。
「こっくりさん、こっくりさんあやかちゃんの好きな人を教えてください!」
「ちょ、ちょっと止めなさいよっ!」
必死の形相であやかちゃんは指に力を入れ、こっくりさんの動きを止めようとします。
しかし、動き始めたこっくりさんの力は凄まじいものがあり、そんなもの焼け石に水のようでした。
ゆっくりと、でも確実にこっくりさんは文字を連ねていきます。
『み』
『ゆ』
「だああっ!」
スコォォォンとものすごい音がして、十円玉は教室の隅の壁にぶつかります。
人間が妖怪に勝った瞬間でした……
ハァハァと荒い息と火照った頬をそのままに、あやかちゃんはランドセルを持ち上げます。
「か、帰るわよ」
頬を真っ赤に染めながらあやかちゃんは、私を諭します。ぶっきらぼうに言う様子は嫌が応にも、今の出来事に動揺していることを示しています。
「な、何笑ってるのよっ!何が可笑しいのよっ!」
どうやら私は無意識に笑っていたようでした。
理由?そりゃもちろん、そんな風に必死に無かったことにするあやかちゃんの姿が、可愛くて可愛くて仕方がないからに決まってるじゃないですか。
「ごめんね。あやかちゃんの好きな人がまさか……だとは、意外だなぁと思って」
うっ、と言葉に詰まってあやかちゃんは目を逸らします。
「う、うるさいっ!うるさいっ!別にあたしが誰が好きでも勝手でしょ!これ以上その事に触れたら、絶交だかんねっ!」
それが好きな人に対する言葉でしょうか。まあ、それもそれであやかちゃんらしいのですけれど……
やれやれと息をつき、私もランドセルを持ち上げます。
「あ、あれっ?」
先に教室の扉まで行っていたあやかちゃんが、困ったような声を上げます。
「どうしたの?」
「扉が開かないのよ。おっかしわねぇ……」
「鍵は?」
「掛かってない。開いているはずなんだけど」
試しに私も開けようと試してみますが、ビクともしません。
不思議なこともあるものです、と首を傾げているとある重大な事に気が付きました。
「あ、あやかちゃん。こっくりさんへのお別れの挨拶忘れたでしょ」
こっくりさんには約束事がいくつかあって、その一つにお別れの挨拶なるものがあります。
何かと聞かれれば簡単で、『コックリさん、コックリさん、どうぞおもどりください』と言ってこっくりさんの了承をもらうというだけです。
それを忘れるとどうやら大変らしいのです。そのどうやらが相も変わらずどんな風かはわからないのですけれどね。
「挨拶しないだけで、閉じこめるなんてこっくりさんも短気なのねぇ」
ふふっ、と軽く微笑みながら、あやかちゃんは文字盤のある席へと戻っていきます。
「えーと、十円玉十円玉っと」
隅の方に転がっていた十円玉を拾い上げて、私もあやかちゃんの真ん前の指定席へと陣取ります。
あやかちゃんは、また凝りもせず蝋燭に火を付けて雰囲気を演出しています。
私はと言えば、またさっきと同じように内心ビビってました。
挨拶を忘れた大変なこと、と言うのが教室に閉じこめられるくらいで済むのか、とっても不安なのです。
ひょっとしたらもっと大変なことが起こって……本当に具体性のない『大変』の一言は、恐ろしいです。どんな風にも考えられてしまうのですもの。
「こっくりさん、こっくりさんどうぞおもどりください」
あやかちゃんが気怠げにこっくりさんに話しかけると、十円玉は当然のように『いいえ』に向かいました。
当然のように、少しの迷いもなく、それが当たり前であるかのように、十円玉は『いいえ』の文字の上にありました。
こっくりさんは帰らない。
ぼんやりと、頭の中にその文字が浮かび上がったところで、ようやく事の重大さに気が付きました。
つまりは、閉じこめられたまま出られないのです。
「こっくりさん、こっくりさんどうぞおもどりください」
今度は私が言いますが、頑ななまでにこっくりさんは動きません。
……いえ、動きました。動いて文字を連ねていきます。
『ゆ・る・さ・な・い』
身体がスッと一気に冷えたようでした。その連ねられた文字の動きには、有無を言わせぬ強さと恐ろしさがあったのです。
「ちょっとぉ、短気なのもいい加減にしなさいよ」
あやかちゃんが不機嫌にそう言うと、尚もこっくりさんは動き続けます。
いえ、さらに激しく怒ったようにスピードを上げているようでした。
『ゆ・る・さ・な・い・ゆ・る・さ・な・い……』
何周も何周も止まることなく、十円玉は動き続けます。
でも、そう言われても困ってしまいます。何をそんなに怒っているのか、私にはまるでわからないのです。
ただ、挨拶を忘れただけ、十円玉を途中でぶん投げただけでどうしてそんなに機嫌を損ねてしまうのでしょう。
やっぱり妖怪と私たちでは価値観がまるで違うのでしょうか。
ああ、私たちは所詮分かり合えない存在なのね、などとどこぞのヒロインのように思ってみたりしますが、それでは何の解決にもなりません。
「どうすれば許してくれるのでしょう?」
そう私が下手に出て聞いてみると、ゆるさないと永久ループしていた十円玉がピタリと止まります。
そして、今度はゆっくりと文字を辿っていきました。
『つ』
『れ』
『て』
『い』
『く』
一度私たちの様子を伺うように停止します。
そして、再び動きだします。
『お・か・す』
そのまま十円玉は動かなくなりました。
私たちがいくら質問しようとも、うんともすんとも言わないのです。
蝋燭にだけ照らされたがらんどうな部屋で、この沈黙は世界自体を押しつぶしてしまうほどの重さがありました。
「んふふ、ふふはふはははははっ!」
突如笑い出したあやかちゃんを、私はびっくりしたように見つめます。
そんな私を見ても、あやかちゃんは尚も笑顔のままです。
ひょっとしたら、ひょっとしたら『これは全部あたしの自作自演よ。その顔、ははっ!超うけるわ!明日、みんなに報告してやるんだから』そんな調子で、いままでの事が悪い冗談だったと言ってくれるんじゃないか。そんな期待を私はしてしまいました。
だって、こんな状況で笑っていられるなんてどうかしてるとしか思えないから……
「ふざけないでっ!」
キーンと鼓膜が音にならない音を鳴らしました。怒鳴り声が教室にヒビを入れるくらいに鳴り響いたのです。
その声は……私は恐る恐る声の主を眺めます。
憤怒の形相。怒りがその愛らしい顔を歪ませていました。
「へ?」
「あんたはまたそうやってとぼけるの?いい加減にしてよ!人の好意を知ってておちょくって、挙げ句の果てには悪質な悪戯?たしかにこっくりさんをやろうって言い出したのは、私よ、私だけど。それに怒ってるのはよくわかったわよ。でも、もういい加減にしなさいよ!冗談が過ぎるわよ!」
あやかちゃんが何を言ってるのかわかりません。そんな私の態度にさらに苛立ちを募らせたのか、あやかちゃんは尚も怒鳴り続けます。
「ふざけないで、って言ってるでしょ!」
バン、と机を叩いて立ち上がり、今にも殴りかかろうとする距離まであやかちゃんは詰め寄ります。
視界が霞むのが自分でもわかります。どうやら、私は泣いてしまったようでした。
言われもない疑いを掛けられて、親友に思いっきり怒鳴られて……でも、親友を怒ろうにも、そんなパニックに陥ってしまうのがわからないわけじゃなくて……もう何をして良いのかわからない。
「ひくっ!すずっ……」
「泣いてんじゃないわよっ!泣いたってあたし……誤魔化されないんだから……」
霞んだ視界の中映ったあやかちゃんの顔もまた、私と同じように泣いていました。
どうしようもないんです。あやかちゃんは、私を詰ることで必死に平静を保とうとして……いえ、もう保っているとは言えないのでしょう。悲しいことに、あやかちゃんは私より弱いのです。
現実を、信じようもない現実を受け止めるだけの力がないのです。
だから、だから私は手を伸ばしてその小さな背中を抱き締めました。冷え切った部屋の中で、その暖かさは何よりも私に力を与えるものでもありました。
「大丈夫だから……大丈夫」
希望のない慰めは悪意の塊です。それがわからないほど私も馬鹿じゃありません。
でも、私は慰めずにはいられないのです。それは、飢えている人がいたら、自然と手を差し伸べる。そんな人間の根元的な優しさなのかもしれません。わかりません。
「えぐっ……ふええっ!」
ギュッと強く私も抱き締められます。きっと不安でしょうがないのでしょうけれど、それは私も同じなのです。

コンコンコン

十円玉が独りでに数回飛び跳ねます。こっくりさんが何かを言おうとしているのでしょう。
私はあやかちゃんを抱き締めたその姿勢のまま、文字盤を見つめました。
『お・ち・が・お・も・い・つ・か・ね・え』
ドンマイ、作者。




夏だし怪談書こう、って意気込んでいたら
いつの間にか余計な尾ひれがいっぱいくっついてしまいました。

よし、題材はこっくりさん。
だったら、舞台は小学校。
小学校と言ったら、女児、絶対女児。
すると、萌え。
萌えと言えば、一人称丁寧語語り(個人的トレンド)
そして、女児と言えば百合(すでに意味不明)

それを全部詰め込もうとしたところ、パンクしてどうようもなく不細工な代物に……
文章はキモイわ、描写はなってないわ、オチを付けるのはあきらめるわorz
本当に良いとこ一つないですけど、時間を割いてしまった以上は晒さないわけにはいかなくて

だって、これ書くのに3日もかかったんですよ?
もちろん、毎日チビチビ書いてたからってのもありますけれど、
でも、受験生にとっちゃ時間は命と同じくらいに大切ですからね。
それを消費してしまった以上、いくら駄作とはいえ表に出さないのは……ねえ。

感想付けてくれると、泣いて喜びますよ、うん。今回はマジで。
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| 小説 | 03:59 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑

とりあえず俺が小学生の時は「陵辱」なんて言葉は知らなかったな、うん。

とりあえずオチをつけよう。話はそれからだw

| n | 2008/08/28 10:19 | URL |

こっくりさん、こっくりさんハルハラの好きな人を教えてください。


『す・す・む』


(´,_ゝ`)フーン...

| Tree Of Pine From Canada | 2008/08/28 17:25 | URL |

普通に面白いと思うよ~
時間に余裕が出来ればオチも見つかるさ

| Kiske | 2008/08/28 19:35 | URL |

これハルハラが書いたの!?
転載かと思ったwww
文章のといい話といい
クオリティが高すぎるwww

メチャクチャ面白いと思うw
オチがあるやつが
見たいです(*´I`*)ハァハァ

| うっぽー | 2008/08/29 00:48 | URL |

私はすすむちゃん抱き締めたその姿勢のまま、文字盤を見つめました。

『い・が・い・と・む・ね・が・お・お・き・い』
ラッキー、作者。


作品の感想です。
これもこれで受験生の小説らしい、
いいオチのつけ方だと思いますよ(笑)
文体もロミオっぽくも個性が出ていますし、
いいなぁ…。ちょっと嫉妬を感じちゃいます。
すごいなぁ…。

| うににんっ♪ | 2008/08/29 23:44 | URL |

返信

>n
ほ、ほら……最近の小学生は進んでるからww
まあ、一般人も日常生活じゃ陵辱なんて言葉使わないねww

>こうへいへーい
ねーよww
どうして俺と先生はホモがデフォなのさ……

>Kiske
たぶん一生オチは付けないと思ふw
思いつかないよん、ウワァァァァァン

>うっぽー
題材がこっくりさんってのは書きやすいからね……
いつものオナニー小説よりは、時間も割いたしその甲斐あったかな
あ、オチは脳内保管よろw

>うににんっ♪
はい、ホモネタストープッ!
まあ、オチが付いてないのに、オチが付いてるとも
言えるわなww
あ、ロミオ意識したのわかった?俺のじゃオリジナルには遠く及ばないけど、あの文体は可愛いよなぁ

| ハルハラ | 2008/08/30 00:56 | URL |

 面白かったです。
 こっくりさん=ある意味神な作者というオチですか。
 読み聞かせ調な文章も、作中の雰囲気にピッタリで上手いですね。
 怪談ということで構えて読み始めたのですが…いい感じに脱力出来ました(笑)
 世の中が緊張してる今日、脱力系がトレンドなのかな。

| 氷上恭一朗 | 2008/08/31 03:42 | URL |

返信2

>氷上さん
わざわざ読んでくださりありがとうございます。
途中までは本気で怪談を書こう書こうと、意気込んでいたのですけれど
ふと何も思いつかなくなって、こんなオチになってしまいました……
肩透かしを食らわせたみたいでごめんなさいです。
疑似少女文体(いわゆる語り調)は気に入ってもらえたようで嬉しいです。
新しいモノに挑戦した甲斐がありました笑

一カ月に一回は必ず短編なり、適当な小説を書くと思うので次回もまた期待せず読んでくださいな笑

| ハルハラ | 2008/09/01 02:08 | URL |















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